恥ずかしい話なので確かどこにも書いていなかったと思うけど、実はおれが国府台高校を受験した理由は、いわゆる「日の丸・君が代問題」なのだ。
中学生の時分、おれも酷い反抗期だった。ただその反抗の先は親とか教師ではなく、「強権的なシステム」だったからタチが悪い。
"総合的な学習の時間"を「生徒主導」で「自主的」に行うと言っていたのに、テーマは教員が勝手に決めるわクラス代表は成績のいい奴が"立候補"するように事前に根回ししているわ(これをなぜおれが知っているかというと成績が良かったからだ)、およそ民主的でなかったので、学年末の振り返りレポートにその旨を全部スッパ抜いて書いたり。
2年から3年次のクラスは本来持ち上がりという話だったが、それをなんと終業式1週間前に「クラス替えします」と発表されたので、有志を集めて保護者会に乗り込んだり、校長室に直談判しに行ったり。
そしてなにより恥ずかしいのは、今思い返すとそれらの"不条理"そのものに、あまり怒りがなかったことだ。「不条理や横暴に対する怒り」でなく、「そういうのに怒って行動できるオレ」だったわけだ。格好悪いったらありゃしない。
まあちょうど当時つかこうへいの『飛龍伝』だったり沢木耕太郎の『テロルの決算』だったり、あとパンクロック聴き出したりして、何かあれば(左右関係なく)「革命!」と叫びたい時期だったのだろう。ビートルズの『Revolution』、歌詞の意味もわからず聴いてて、和訳してみたら一変嫌いになったのも中3のときだ(今は大好きさ)。
「受験」とか「進学」とか、そういうのもやっぱり「システム」としか思えなくて、志望校とかも全然考えていなかった。それでも勉強は結構好きだったから、あまりその辺困らなくて、余計に後回しにしていた。父親からは、「サラリーマンと公務員以外なら何やっても文句は言わないから」と教えられていたし。
なにせ、「これからのライフプラン」みたいな発表で「27歳で死ぬ」て書いてたからね。大真面目に。
そんな小型狂犬・アサコシ少年に救いの手を差し伸べたのが当時の担任M先生。一向に進路を決めようとしないおれに、こんな高校あるぞ、とある新聞記事を見せてくれた。
それが、国府台高校の「日の丸・君が代問題」の記事だった。
M先生には今でも感謝している。第1、さっきの「ライフプラン」とか、書き直しを命じるわけでもなくそのまま掲示してくれたからね。多分クラス替えのメンドくせえ経緯とかも知った上で、「メンドくせえヤツ」としてのおれを尊重してくれた、そんな数少ない大人だったんだ。
当然大好物に食いついたおれは、サクッと進路を決定。上手く教員に丸め込まれた気がしないでもないが、そのまま楽々合格。
そうして晴れて、"鴻陵生"の仲間入りを果たしたわけである。
実は入学後、「"運動"とか"政治"じゃ世界は変わらないよ」「革命家はその後世捨て人になる」というニヒリズム・ダダイズム期に突入して、いわゆる「The 鴻陵生」とは距離を置く学生時代を送るのだが、、、それはまた、別の話。
別の話もなにも、そもそもなんの話だ。
そんなことを思い出しながら、しかし思い入れとかじゃ語れない強固なコメディにしたいね、いやするんだよ。
特典付き先行販売、いよいよ明日11/25、10:00からです。
アガリスクエンターテイメント第25回公演『卒業式、実行』
2018年2月17日(土)〜2月25日(日)
於サンモール・スタジオ
公演情報 http://sotsujitsu.agarisk.com/
予約 https://ticket.corich.jp/apply/87017/012/
どうしたって筆が滑るから、母校だ。